日本国内においては、シロシビンおよびそれを含むキノコは「麻薬及び向精神薬取締法」に基づき 規制薬物(麻薬)に指定されており、所持・使用・譲渡・栽培などが厳しく禁止されています。
本サイトは、サイケデリックや精神活性物質に関する最新の研究、国際的な医療動向、歴史的背景などの情報を、 教育・啓発・学術的な目的で提供しており、日本国内での使用や違法行為を推奨・助長する意図は一切ありません。
また、本サイトの内容は医療的助言を目的としたものではありません。ご自身の健康に関する判断は、 必ず医療専門家にご相談ください。
ニュージーランドで行われた最新の大規模調査(参加者997人)は、人々がサイケデリックをなぜ使うのか、どのような体験をし、どんな影響を受けるのかを明らかにしました。本記事では、その内容を分かりやすく紹介します。
最初は「好奇心」から、やがて「自己探求」へ
調査によると、サイケデリックを使う最初のきっかけは 「好奇心(81%)」 が圧倒的でした。次いで「楽しみやパーティー(58%)」「冒険(53%)」といったレクリエーション的な動機が多く見られます。
しかし使用を重ねるにつれ、動機は変化していきます。多くの人が 「自己探求(62%)」や「個人的成長や洞察(65%)」 を主な目的とするようになり、精神的な探究心へとシフトしていきました。
「最良の体験」と「最悪の体験」の違い
参加者は、自分の典型的な体験・最良の体験・最悪の体験をそれぞれ報告しました。
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典型的な体験
喜び・平和・愛といった感情、自然や人との深いつながり、そして自己や世界への洞察が多く語られました。 -
最良の体験
典型的な体験に近いものの、より強い幸福感と深い愛情が伴い、人生や健康に長期的なプラスの影響を与えるケースが目立ちました。 -
最悪の体験
恐怖や孤独感、悲しみが中心で、「好奇心」や「逃避」を動機にしたケースが多く見られました。中には「他人に後悔すべき行動を取った」と答える人もいました。
興味深いのは、困難な体験をした人の約4割が「長期的には成長につながった」と答えている点です。
心理的な影響 ― 多くがポジティブ
調査参加者の 74%が「幸福感が高まった」 と回答し、63%は心理的健康の改善を報告しました(大きな改善27%、中程度の改善37%)。悪化を報告した人は5%未満と少数でした。
サイケデリック体験はまた、人とのつながりや自然との一体感を強める効果も確認されています。
研究が示すこと
この調査から分かるのは、サイケデリック体験の質は「物質そのもの」よりも 「動機」や「意図」 に強く左右されるということです。
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自己成長や探求心を持って臨む → より肯定的な体験と改善効果につながりやすい
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逃避や娯楽目的 → ネガティブな体験に結びつきやすい
また、困難な体験でさえ適切に統合すれば、成長や癒しにつながる可能性があります。
まとめ
ニュージーランドの調査は、サイケデリック使用の動機が「好奇心」から「自己探求・成長」へと進化していくことを明らかにしました。そして、ポジティブな意図を持った体験は、幸福感や人間関係の改善といった長期的な効果をもたらすことが分かっています。
この知見は、今後の教育やサポート体制、そして政策づくりにとって重要な示唆を与えてくれるでしょう。サイケデリックは単なる娯楽ではなく、人間の成長や癒しの可能性を秘めたツールなのです。